手塚治虫100 その13「鉄の道」
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なかなか、進まない連載もやっと13回目です。
今回取り上げる作品は、これです。
「鉄の道」という作品です。
昭和37年1月の「小学6年生」から始まり、
そのまま「中学生の友一年」に連載が続いて翌3月までの連載でした。
当時は学年誌(小学館と学研にありましたね)が強い時代でした。
今残っているのは、1年生からの低学年と、「蛍雪時代」だけおないですか?
タイトルはジョン・フォー時監督の「鉄の馬」から取ったものらしいです。
内容からすると、シルクロードを旅する少年の物語ですから、「絹の道」なのかもしれませんが
少年の成長譚ですから、向かっていく心を鉄の心として「鉄の道」でも、いいかな?と。
この文字が、映画の影響受けていますよね。
さて、イントロはローマ帝国から始まります。
アキレタスという強い英雄が、東を目指します。征服のために。
日本から、遣唐使の一人として中国にわたって来た少年タケルは、恐いもの知らずの少年で
虎退治もお手の物で、中国全土に名が知られていきます。
シルクロードをヨーロッパに向かう商隊に加わり、西を目指すことになります。
このページぶち抜きの、ワイドスクリーンこそ、この時代の映画的ですね。
旅の途中、大きな竜巻に襲われても、
隊長の座を奪った、悪役タン・メンに車輪に縛られても、めげません。
そして、ローマから来たアキレタスとの対決。
この3つのシーン、たいてい「さて、来月の展開は、いかに?」というコマなんですね。
必ず、来月はどうなる?来週はどうなる?が、王道でした。
このコマもそうですね。
宿敵タン・メンとの対決はいかに?が最終回へ向けての期待をあおります。
2年連載ぐらいのつもりで始めたのでしょうか?
でも、手に取るように、手塚さんが「面白くなくなった」というのが読んでいてわかるんです。
そうそうと、こういう結末で、当時はやりの西部劇のように、渡り鳥(流れ者)として
タケルが去っていくシーンで、ハッピーエンドにしてしまいました。
かと言って、並の漫画家ではない手塚さんの作品です。
読み応えありですし、読み飽きもしません。
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by lawrence1107 | 2012-11-30 06:03 | 手塚治虫100