あれこれ、よん読 4
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本屋さんでは手に入らない本は、
①新しいものなら、ネットで検索し取り寄せる
②プレミアものなら、オークションで競り落とす
③絶版、廃版ものなら、オークションか、古本屋さんまたは、BOOK OFF
で手に入れます。
今回の遠藤周作さんの作品はBOOK OFFで手に入れたものです。
「快男児・怪男児」タイトルだけ見たら、ほとんどの人は読みたいとは思わないでしょう。
この頃の遠藤作品には「沈黙」「海と毒薬」「白い人・黄色い人」などの
いわゆる(純)文学作品と、本作を含む「軽小説」と呼ばれた作品群があります。
タイトルも「おバカさん」「どっこいショ」「ヘチマくん」「黒ん坊」など
いかにも軽そうなタイトルが並んでいます。
軽小説というのは、純文学(芥川賞系作品)でもなく、
大衆娯楽文学(直木賞系)でもなく、いわゆる「文学と呼ばれない日常的な」作品です。
当時はユーモア小説なんていう風に呼ばれていました。
僕の大好きな1冊にある「私が・棄てた・女」(講談社文庫で生き続けています)もその系列で
「快男児。怪男児」を読もうと思ったのは、その感動をもう一度と思ったからです。
BOOK OFFで各105円でした。
文庫の初版本がどれだけ値打ちがあるかわかりませんが、昭和50年発行の初版本でした。
戦後すぐの復興期、秋田から東京へ出てきた男(これが怪男児)と別な女の子が
動乱期の東京でだまされ戸惑いつつも、人の情に触れ身を立てていくまでを
1章ごとに交互に描きます。そして、下巻の半ばで偶然の出会い。
物語は、大団円(この言葉も近頃聞かなくなりました)へ。
最後は敬虔なるキリスト教信者である、遠藤氏の作品らしく
人間回帰に収斂していきます。
ところで、古本を買ったらその中に「どこそこでいつ買った」とか
いつ読んでどんなに思ったか、を書き込んでいる本があったりしますが、
この本には当時のレシートが挟まれていました。
1976(昭和51年)1月14日の購入。当時の成人の日の前日。
東海大学生協売店にて。
価格は定価240円より20円安い220円×2冊。(生協価格だと思われる)
こんなレシートひとつだけで、自分の1976年1月を思い出します。
高校三年生で、大学も推薦で決まり、学校は大学受験用の選択授業ばかりだから
映画と小説三昧で、人生で一番映画を見た頃でした。
まもなく高知を離れて都会へ行く、そんなことに高知でいろいろやっておきたい
という気持ちにあせりをたくさん感じていた頃でした。
--そんなことも思い出しつつ、一気に読めた本作品。
古い表現や内容の価値観も多かったですが、読んだ甲斐のある本でした。
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by lawrence1107 | 2011-07-04 08:50 | 活字かつじ中毒