手塚治虫100 その10「ザ・クレーター」

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この連載も、やっと10回目。

まだ1/10の段階です。  気長にやっていきます。

今回は、「少年チャンピオン」に連載された「ザ・クレーター」を取り上げます。

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まだ週刊誌化される前の、少年チャンピオンの目玉作品でした。

1回30ページの短編で、いろんなジャンルに取り組んでいます。

丁度このころ青年誌「プレイコミック」に「空気の底」を連載していたのですが、

「ザ・クレーター」が少年ものなら、「空気の底」は成年ものの、オムニバスなマンガでした。

全17話で、構成されていますが、「ザ・クレーター」と関係しているのは最終話「クレーターの男」だけ

というのも、最終話が「空気の底に」で終わる「空気の底」と似通っています。


さて、作品です。

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第2話の「八角形の館」のカラーページです。

この斬新なコマ割りを見てください。

アニメで損失して虫プロが倒産してしまったばかりの、「マンガで生きるんだ」という意気ごみが出てますね。

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不条理なタイムスリップ。

戦争と化学兵器、いろんなテーマが出てきます。

当時僕は中1生。ショッキングな内容に、毎回震撼していました。

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中世からの、巴ご前の呪いの面が現代に残り、漫画化手塚治虫に乗り移るシーン。

手塚治虫本人が、何回も出てくる作品であります。

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吹雪で飛ばされそうになるシーンの、迫力よりもユーモラスさも忘れません。

半分ぐらいの話の主人公は、オクチンこと奥野隆一です。

主人公の名前は一緒でも、役柄・設定は全然別というスターシステムを使っています。

これぞ、漫画版オムニバスです。

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無くなった女の子が、天国の受け入れ準備が出来ていないからと、

カラダを貸したオクチンが、トイレに入るシーンです。

半日ごとに、オクチンと女の子が体を支配するという設定が面白かったです。

なんかの映画からヒントを得ていますね。

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僕が一番好きだったのが、この「生けにえ」という作品。

2000年前のメキシコで「生けにえ」になって殺される直前の女性の願いが叶い

現代の日本にタイムスリップして、オクチンと恋愛して結婚して、子供ができた10年後に

約束の期限が来て、幸せの絶頂に、元に戻って、首を切り落とされます。

残酷なシーンですが、それより10年間の幸せをかみしめられます。

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この「三人の侵略者」も面白い作品で、宇宙から地球を偵察に来た宇宙人が

地球人に化けて、偵察しようとしますが、慣れない文化とのギャップで笑わせ、

警察の包囲網が迫ってきた時、実は人質に取っていた彼らが実は、逃亡者だったという下りです。

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最終話の「クレーターの男」は、この前年のアポロの月面着陸が

大きなきっかけになっている作品です。

描写の正確さは、アポロが撮ってきた写真から思い切りヒントを得ています。

少年漫画だけど、救いようのない不条理に果敢にチャレンジした作品です。



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by lawrence1107 | 2012-07-27 11:32 | 手塚治虫100