独断と偏見の映画評 101
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★★★★・・・絶対見るべし
★★★・・・一見の価値あり
★★・・・悪くはないけれど・・
★・・・私は薦めない
☆・・・おまけ
※本編の内容に触れる個所がありますから、観られていない方は、ご注意ください。
【ドラゴン・タトゥーの女】
ミレニアム・シリーズ3部作の1作目「ドラゴン・タトゥーの女」・・・
ごく最近に、本国スゥエーデンで3部作が映画化されたばかりなのに、早くもリメイク。
いや、リメイクというよりは同じ原作からの競作というべきタイミングかもしれません。
「セブン」「ソーシャル・ネットワーク」のデヴィッド・フィンチャー監督が独特な語り口と映像で
40年前の少女失踪事件をスリリングに、そしてテンポ良く描いた大作です。
謎に包まれた冬の雪景色の中の財閥の寒々しい世界の中で、007のダニエル・グレイグと
ドラゴンの刺青をした謎の女と組んで、ミステリーが解明されていく様は、出色です。
特に、゛ドラゴン・タトゥーの女゛ルーニー・マーラの異彩ぶりは見事で、
アカデミー主演女優候補何なったぐらいです。
原作の複雑(だろう)な、入り組んだ内容を整理して157分にまとめた力量はすごいと思います。
続編も期待できますが、゛ドラゴン・タトゥーの女゛を外してほしくないなぁというような
際立ったキャラクター造型が見事な映画でした。 ★★★
【ものすごくうるさくて、ありえないほど近い】
しばらくぶりの、変タイトル映画です。
でもそれが、とてもはまっている風に思えるのは、扱っている題材が、9・11に起因する
「父親喪失」であるにも関わらず、悲惨なシーンを最小限に抑えて、「災厄」が突然襲い掛かるというのは
「こんな風に突然静かにやってきて、じわじわ効いてくるんだろうな・・・」と思わせる力にあります。
9・11で父親を失った、少年オスカーは、どうしても父の死を受け入れられない。
父が残した鍵とその袋に書いてあった「ブラック」の文字・・・NY中のブラックさんを訪ね歩く
ロードムービーで、アメリカの良心を見せ、少年の成長を描いていきます。
最後にたどりついたブラックさんとの対面、父親が残したメッセージ、
母親が隠していた、真実の愛情。そういうものが一気呵成に押し寄せるラストは感涙ものです。
口のきけない間借り人を演じた82歳になる、往年の名優M・V・シドー(「エクソシスト」の神父役)
の「声なき演技」が出色でした。
人生で成長するっていうのは、人の力と自分の意志で作られるんだ、と実感させてくれる
落ち着いた「いい映画」でした。 ★★★
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by lawrence1107 | 2012-03-03 15:46 | 映画マイラブ