あれこれ、よん読 1

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【テルちゃん】   心にしみる物語

d0162564_12145450.jpg直木賞受賞作家の本と比べて、芥川賞受賞作家の本は一般読みにくい。
文章と文章の行間に存在させている言葉を読み取ることが必要だからだ。

でも、この「テルちゃん」に関してはそういうところが少なかった。
エンタティンメントでない小説は、日常を振り返らざるを得ない現実直視感と、ぎゃくにリアリティある日常をどうとらえ楽しむのかという命題を突きつけられるような気がします。

フィリピンから来たテルちゃんこと、28歳のエテルさんは、文庫の帯にあるように「この国にこんなやさしい人がいるのだろうか?」という惹句にもおとらない
「満月みたいなまあるい心のフィリピン女性の物語」

夫は50代ですでに亡くなった。
そして北の町で生きていくテルちゃんとその家族のささやかな物語。

3章からなる、連作というより区切りの各章に「ぶわん」「ばろっと」と
フィリピン語を配したて第3章も「おぼん」と来たから、
どういう意味だろうと楽しみにしていたらなくなった義母の「お盆」のことだった。

テルちゃんにとっては「おぼん」なんだね、初めての。

各章に挿入される「昔話」の挿入がテルちゃんの日本観に影響しているのも、楽しく読めます。


【きらめく星座】    井上戯曲を堪能

d0162564_12155768.jpg新聞社に勤める知人から教えていただいた。
故・井上ひさしさんの戯曲の3本指に入るものだからと推薦を受け中古本しかなかったのでネットで購入してみた。

戦時中、東京のオデオン堂というレコード屋の家族の物語。
すべてが敗戦色濃い日本の「旗日」に起こることばかり。

登場人物に、戦争に対する立ち位置をうまく配分し、日々悪くなる戦況の中で、くらしている庶民のささやかな希望を当時の歌でつづる仕掛けは、ぜひ舞台を観てみたくなる仕掛けになっています。

毎回毎回出てくる、軍隊から逃げ出した息子が身をひそめるために隠れ家を報告しにくる内容が、当時はそういう隠れ家があったのかと気づくと同時にあまりにユーモラスで楽しい。

軍人も、医師も、商店主も、音楽家も、みんなそれぞれの立場で、
行きながら支え合っているこのアンサンブルが見事な戯曲でした。

戦時のころの旧仮名づかひが、とてもうれしく、敬遠してゐた
書き方がこれだけぴつたりと、あてはまつた作品もまれであらうとおもつた。



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by lawrence1107 | 2011-06-25 12:16 | 活字かつじ中毒