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独断と偏見の映画評 81

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★★★★・・・絶対見るべし 
★★★・・・一見の価値あり
★★・・・悪くはないけれど・・ 
★・・・私は薦めない 
☆・・・おまけ

※本編の内容に触れる個所がありますから、観ていない方は、ご注意ください。

【阪急電車】
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高知県出身の人気作家、有川浩(ひろ=女性です)さんのベストセラーの映画化。
「レインツリーの国」(新潮文庫)で有川ワールドにはまりましたが、
高知新聞連載の「県庁おもてなし課」では、人物の類型的描写に物足りなさを
感じ、今ひとつでしたが、「阪急電車」はまた、面目躍如な作品です。

阪急本線から、支線としてある片道15分の今津線で起こる、ふれあい・出会いの物語。
登場人物はみんな「なにかやりきれない気持ち」を抱えながら生きている。
そしてその縁もゆかりもない8人が、交錯しつつ物語が進んでいくのです。

主な8人の登場人物のうち、男は一人だけ。
田舎から出てきた、自衛隊オタクの大学生で、これは同じ大学に通う女の子との恋愛が
役割のメインだから出ざるを得ないのですが、あとの7人が女性なのは、
「出会い」「ふれあい」がいかに女性特有のものであるかがわかります。

ラストシーンの中谷美紀演じる「ふられた花嫁」と戸田恵梨香演じる「DVに悩む彼女」
の出会い、ふれあい、「少しお話しません?何かあなたとはいろいろ話せそうな気がする」
というような関係は、男同士ではありえませんものね。

原作は「展開」「言葉遊び」が面白く、映画は「構成の妙」で見せる。★★★


【岳-ガク-】
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ビッグコミック・オリジナルの人気漫画の映画化です。

「生きる」というキャッチコピーをもとに構成されたであろうストーリーですが
県警から山岳救助隊に配属されるのが、長澤まさみということ自体に、もう無理がありました。

漫画はいいんです、それでも。
映画はそれではいけないんです。

別に長澤まさみが嫌いで言っているんじゃないですよ。
長澤まさみ視点から描く山岳救助隊の生活・活動ぶりはそれなりに楽しめましたもん。

せっかくの北アルプスの雄大な景色や、ロケが予定調和の中で繰り広げられる
ドラマ、救出劇への展開に「先が読めてしまう」のが最大の難点でした。

大きな拾い物は、主人公・三歩の天衣無縫の明るさと「また山へ遊びにおいでよ!」
というセリフの心地よさ。これは大いなる収穫です。

ラストシーンの「またヤマへ遊びに来た」人との再会もいいですね。★★


【ブラックスワン】
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アカデミー賞再優秀主演女優賞受賞作品。これで観にいった人も多かったでしょう。

でも映画は、「それ」をはるか越えてしまうほどの想像を越えた映画になっていました。
「白鳥の湖」のプリマに手の届いたニナ(ナタリー・ポートマン)の課題は、対比にある
「黒鳥」のシーンをどう演じるか?

黒鳥にぴったりのバレリーナの登場で、俄然ドラマは狂気の世界へ入っていきます。
役を奪われたくないニナの心理葛藤の動き、描写がどんどんとエスカレートしていき
妄想なのか、現実なのかがわからないほどになり、初日を迎える。

黒鳥が憑依したかのごとく、舞う姿は映画シーンに残るすごいシーンでした。
ただ、その少し前のニナの幻想を描くシーンでのショッカー的演出はいただけなく
音で脅かし、視角で驚かせ、よりもほかに方法はなかったのでしょうか。

役作りに心身から浸かったN・ポートマンは見事です。
そして、バレエシーンのカメラワークも引き込まれます。

スリラー仕立てにならず、映像だけで押し切れたら累世の名作になっただろうと思うと
もったいないなぁと思うのでありました。
そういう意味でも、ラストの血のシーンも幻想であってほしかったのです。

杉ママ、お待たせしました。もう観ちゃったかな・・・?

★★★+☆


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by lawrence1107 | 2011-06-02 11:00 | 映画マイラブ