独断と偏見の映画評 79
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★★★★・・・絶対見るべし
★★★・・・一見の価値あり
★★・・・悪くはないけれど・・
★・・・私は薦めない
☆・・・おまけ
※本編の内容に触れる個所がありますから、観ていない方は、ご注意ください。
【GANTZ PERFECT ANSWER】
1作目が意表を突いた構成、シュールで楽しくでも怖いアクション、
そして不思議な謎に包まれた、「ガンツ」の世界に引き込まれたので
2作目を楽しみにしていました。
ところが残念ながら・・・期待は実りませんでした。
生か死か、果てしなく続くガンツの指示による星人との対決を続けながら
100点を取って、この世界から抜け出すことに活路を開いたメンバーが
100点を取った時にした行動は・・・あたりから調子がおかしくなってきて
生きたり、死んだり、別の世界から出てきたり・・・
つじつまをあわせるのと、何とかして盛り上げようとする懸命な脚本に
苦労のあとを感じさせますが、如何せん、余韻が残りません。
観終わって「結局なんだったんだ?」と言いたくなるような結末。
僕は完全に消化不良でした。
ファンの皆さんにはごめんね、の ★
【ふたたび SWING ME AGAIN】
ハンセン病という、いわれなき理由で50年間も離島の療養所で隔離された
78歳の男のやり残した夢を果たそうとする映画です。
50年ぶりに神戸に帰った男の「するべきこと」は
50年前のメンバーを集めて、バンド演奏をもう一度やること。
鈴木亮平演じる、孫(ハンセン病に偏見が全然ないのがミソ)との
不思議なロードムービーになっていきます。
集まった元メンバー。財津一郎、藤村俊二、犬塚弘、佐川満男、
そしてゲストにナベサダこと渡辺貞夫を加えてセッションする
ジャズバンドのシーンは、なかなかです。
ただ、そのシーンを覗いては類型的に描かれてい過ぎる部分が多く
感情移入しにくい部分も目立ちました。
犬塚弘さんの痴呆ボケ演技から、イキイキ演奏するジャズシーンを見ると
人って「やりがい・存在感」が生きがいなんだとつくづく思います。
残念なところも目立ちますが、善意ないい映画です。★★
あたご劇場さん、高知では見られないだろう、良質な映画をいつもありがとうございます。
【これでいいのだ!! 映画★赤塚不二夫】
こども時代にはわからなかった、赤塚ワールドのすごさがぼつぼつ
わかり始めたころ、赤塚不二夫は天国へ召されました。
ちょうど僕が「少年サンデー」を読んでいた小学高学年からの話に
同時期の実体験を思い浮かべながら、入り込んで観られました。
「おそ松くん」の終わりは、そういうことだったのか、
「レッツラゴン」のシュールさはああいう意味だったのか、と感心しつつ
赤塚ワールドに映画の中で浸っていました。
そういえば、変態的遊びを常としていたころに見出した才能がタモリだった
エピソードは出てこなかったなぁ。
それにしても原作では男のはずの役が、堀北真希にはよく回ってくる。
そしてそれが、また絵になっている。不思議な女優さんです。
「三丁目の夕日」の六さん、この映画の名物編集者・・・
下品に映るシーンを多用しすぎて、赤塚不二夫の根は真面目な部分が薄くなって
母親から離れられない、マザコンな青年部分も誇張しすぎて
バカがかっこよく見えない映画になってしまったのが、かなり残念な仕上がりです。
いい演技陣を集められたのになぁと、思っちゃいますね。★★
【八日目の蟬】
角田光代さんって、すごいんだ、と思わせる原作にかなり迫っているであろう映画化。
原作を読んでみたくなりました、どうこれを文章表現し、
構成しているのか確かめてみたくなるような映画の感動がありました。
父親が浮気していた相手(父親の子どもを堕ろしたばかり)が、
妻との間にできた子供を誘拐してしまい、親子として生活する。
4年後無事保護された子供の、本当の母親はだれ?家庭はどこ?・・・という物語。
事件の過去と成人した現在の彼女の旅を並行して描く演出は
一枚ずつ皮をはがしていくように、謎が明らかになっていき、
映画的興奮は2時間27分、緊密に詰まっています。
「八日目の蟬」というのは、みんなより一日でも長生きできて
みんなが見られないものを見られて、幸福なのか、
ひとりだけ長生きしてしまい、見なくてもいいものを
見なくてはならないのか・・・という疑問を提示したタイトルです。
生きることの意味を問う、ヒューマン・サスペンスの傑作です。
ラストシーンの終わり方に思わず「共感します」とエールを送りました。
早くも、僕の今年のベスト3以内は確定的です。 ★★★★
by lawrence1107 | 2011-05-04 11:50 | 映画マイラブ